くそったれ

今、僕は怒りに任してこの文章を書いている。後に冷静になって読み返したとき、自分の書いたことに恥じ入るかもしれない。
しかし、書かずにはいられない。


北オセチアの学校占拠事件。
あまりにも痛ましい結果に終わってしまった。目的はどうあれ、晴れがましい新学期を迎えていた子供とその親達を犠牲にした、犯人たちの残虐さは非難してもしきれないだろう。


しかし。
一連の報道に触れる時、僕は自分の中に沸き上がる怒りを、どうしても抑えることができない。


「相次ぐテロに、プーチン政権にも動揺」「テロの背後に国際テロ組織の影」等々。。そして、コメンテータがしたり顔で言ってみせる。「このような卑劣なテロは許されませんね。」


なぜ、このような事態がおきたのか。誰が、このような事態を招いたのか。その責任主体は、どこにあるのか。
そして何より、実際に、踏みにじられているのは誰なのか。

最も重要なのは、ロシアの言う「テロリスト掃討作戦」だ。その実態は、ロシア軍が徹底的に家宅捜索を行い住民を連行、収容所などで拷問して殺害することだからである。かつて私が山奥の病院で会ったチェチェン保健大臣のハンビーエフ医師は自ら収容所体験も踏まえて、逮捕された人の8割が死亡していると証言している。そして拷問で心身障害者となっても運良く生き残っていれば、家族はロシア軍に膨大な金(おおむね2000ドル〜6000ドル)支払って返してもらう。また拷問死の場合も、ロシア軍は遺族に金銭を要求して遺体を渡している場合が多い。金を用意できなければ捨てられる。実際、大量の遺棄死体が何度か発見されている。こうして人間が消えていく。これが戦争の実態だ。