2006-01-01から1年間の記事一覧

見てしまったこと、について

sumita-mさんによる、「見てしまったこと」を巡る考察。とても勉強になるし、何よりも、いろいろと考えさせられる。 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060829/1156827266 特に、このくだり。 生について、一般項として語らせようとする、そのこと自体が既に…

犀の角のように歩め。

書く、と言いながら書けていないことが多くて、いささか心苦しかったりもするんだけれど。 けっこう忙しいので、どうしても吐き出したいことだけを少しだけ、書き殴っておきます。 でもこれは独り言です。 どうやら僕は、たまに「偉そうに語りたい病」になっ…

普遍論争 (2)

ある意味で、以前取り上げた「普遍論争 - 諸悪莫作」の続き。 本来ならエントリで書くべき事柄を少々忙しくなってきたせいで、はてブのコメントのみで済ましてしまった。失敗。 たとえば、科学も人の営為である、という文脈で言えば「文化」という言葉がたし…

現代の神話

古来より人間は、天空に見出される事象と、地上における様々な出来事との間に、結び付きがあると考えてきた。いや、より積極的に表現するならば、天空の事象と地上における様々な営為との間に、照応を見出してきたのだった。特に天空に見出される様々な異変…

前々回の続きを書く前に、もう少しだけ別のことを。

危機的状況

われわれが日常的に触れる報道などにおいて「テロ」と呼称した場合、それはもっぱらイラクやパレスチナにおける、アメリカやイスラエルへの暴力的行為を指し示している。そしてその場合、そのような暴力を行使する人々は「テロリスト」と呼ばれる。たとえば…

前回の続きを書く、その前に。

シンクロニシティ

この論文を書くにあたって、私はいわばひとつの約束をしておきながら、長年にわたってそれを果たすだけの勇気を持たなかったということができる。問題とその提示の困難さは私にとってあまりにも大であった。すなわち、このような問題に取り組むには知的な責…

普遍論争

いろいろ書きたいことがあるのに、言葉にまとめるだけの体力が無い。。 で、調べものをしていたらちょっと興味深い記述を見付けたので、とりあえずメモだけ。 中世ヨーロッパの普遍論争に関する、ユングの論考から。 九世紀の聖餐論争はいっそう大きな論争の…

やさしさ、ということについて

ここしばらく、やさしさ、ということについての、言葉にならない想いがぐるぐると巡っている。やさしさという言葉のその背景にあるもの、その言葉が指し示している背景にひろがる何かについて、僕は知りたいと望んでいる。

共謀罪

共謀罪についての参考サイト 共謀罪(キョウボウザイ)ってなんだ? 共謀罪ってなんだ? 共謀罪ブログ 共謀罪反対 THE INCIDENTS (Alternative Version) http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity_about_qa.html http://list.jca.apc.org/p…

ぶつ切りになった社会

教育基本法の改正について、様々な批判がなされている。それらの批判の多くは、やや乱暴に言ってしまえば、「愛国心や伝統といった恣意的な価値観を教育の主眼とすることは、民主制度の社会が多様な価値観によって担保されている事実から考えるならば、首肯…

体を壊してしまいました。

タイトルのとおりです。文字通り、体を壊してしまいました。。 そんなわけで、半ば療養のような生活を送っていてブログを書いている場合じゃないんですが、ちょっと書きたくなったので書いてしまいます。 ちなみに、ピンカーの「人間の本性を考える」につい…

人間の本性(2)

体調が相変わらず優れないのと忙しいのとで、いまだに中巻の半ば辺りをうろちょろしている。 ところで、ネットで「人間の本性を考える」の書評などを読んでいると、ひとつの事実に気が付く。ピンカーは認知科学の立場から生得説を支持し、構築主義や脱構築の…

人間の本性 (追記あり)

ここしばらく、体調を崩してしまって、寝て過ごすことが度々あった。その、朦朧とした頭で僕はスティーブン・ピンカーの「人間の本性を考える」を読み進めていた。僕が関心をよせているユングは、人間の心理現象は合目的的であり、また、人類は生得的に人種…

大峰山と風刺画と

以前、大峰山への入山運動について触れたことがある。その中で僕は、信仰や伝統は不変のものではなく、常に捉え直されるべき対象なのであり、それ自体においてただちに首肯されるべきものではない、といった主旨の内容を述べた*1。ところで、この大峰山の問…

「暴力」

昨日のエントリについて、id:t-hirosakaさんから言及いただいた。 現実問題としては、やむにやまれぬときは手段の是非を問うているヒマのない場合もある、とは思うのだが、非常事態にはなんでもあり、という判断停止状態におちいらないためにも、やむににや…

「被抑圧側の問題」について

前回、風刺画に関するエントリを書いて以来、均質化と多様性、というものの問題について考えていた。均質化の暴力や侮蔑的な扱いに対して、被抑圧側にある人々が異義申し立てをおこなう。しかし、そのような時にしばしば論じられる、「被抑圧とされている側…

風刺画の欺瞞

あと1ヶ月ほどで、イラク戦争開始から3年が経とうとしている。 当時、アフガンにしろイラクにしろ、その「戦争」と呼ばれる事象の、あまりに非対称な状況が話題に登ったことを思い出す。それから3年が経とうとした今、しかし、その非対称性は改善されるどこ…

懊悩

また、風邪をこじらせてしまった。ここ一週間ほど、微熱が下がらない。 しかし、誰しもそうだろう、この体調不良は、僕の今の心理状態と、無縁のものとして生起したわけではないのだ。 今、僕の心の中で暴風雨が吹き荒れている。 「必要なものは、善意などで…

立脚

靱で、そして大阪城で、生活の場を奪い取られた方々がいる。 そのような事態に、そして、少なからずあるそれらの人々を侮蔑する表現に対して、僕は憤りを禁じ得ない。 でも、それ以上に、このような想いが沸き上がってくる。 なぜ、この世界は、人間は、こん…

強制排除

野宿者のテント撤去始まる 野宿者ら抵抗 大阪の2公園 大阪市は30日、公園整備の妨げになるとして、行政代執行法に基づき、靭(うつぼ)公園(西区)と大阪城公園(中央区)に建てられた野宿者のテントの強制撤去を始めた。市職員約310人、民間会社の警…

ユングについていろいろ

風邪で発熱してしまった(相変わらず、虚弱)のでちょっと文章がおかしいかもしれませんが、以前書いた林道義氏への批判にコメントをいただき、それに簡単な応答をしましたので紹介します。 「流れから水を得んとするものは、少しは身をかがめねばならない。…

最終解決

物騒なタイトルをつけてしまったけれど、その背景にある構図を突き詰めるなら、そういうことなんだろう、と思う。*1 靱公園のすべてのテント(約20軒)、大阪城公園の一部テント(約5軒)に住む人々が、大阪市によって強制排除の危機にさらされています。…

「こんなことになって」と泣き崩れた。

僕は --- 自分の愚かさを晒すことを承知で、こう叫びたい。「ライブドアだとか、小嶋喚問だとか、株価下落だとか。本当に、本当に、心の底からどうでもいい、どうでもいいことだ」、と。この記事を読んだ後、僕の中からそのような想いが沸き上がってきて、そ…

「自我と無意識の関係」をとりあえず読み進める (6)

前回(http://d.hatena.ne.jp/t_kei/20051211/p1)の続きから。 第二章 無意識の同化作用のおこす後続現象 (5) ユングは無意識の同化に伴う現象について、さらに掘り下げて述べる。 もしわれわれが無意識を同化することによって、集合的な心を誤って、個人的…

林道義氏、「ユングは関係ない」

この場合ユングは関係ない ついでに述べておくが、この者は私を「亜流ユング主義者」と呼んでいる。ユング心理学の世界、そして私のユング研究をどれだけ知った上で言っているのか。私は誰の亜流でもない。根拠も示さず人の研究を亜流呼ばわりするとは無礼極…

「生の分有」ということについての、感傷的で主観的で内向的な

のざりんさんの以下のエントリを読んで以来、様々な考えがぐるぐると、言葉にもならずに浮かんでは消えている。 http://d.hatena.ne.jp/x0000000000/20060111/p5 僕は、"「自らが決めるというあり方を肯定する人としばしば同じ人である」ところの「多様であ…

「流れから水を得んとするものは、少しは身をかがめねばならない。」 補遺

相変わらず僕の文章は拙くて、昨日書いた内容を今自分で読み返してみても、自分が何を言いたかったのかが良くわからない。そこで、それを糊塗する、というわけではないけれど、自分自身の理解向上のためにも若干の追記をしておこうと思う。

「流れから水を得んとするものは、少しは身をかがめねばならない。」

ユングについて、半可通な状態であることから脱却したい --- 新年早々から、そのような想いが強く湧いてきた。 それは、林道義氏の以下のような文章を読んだからだ。 方法論的思考と読解力の欠如 (「牧波」への反論 ) http://www007.upp.so-net.ne.jp/rindou…