ロンドン同時多発テロ

このようなテロが起きると、「自由で開かれた社会の弱点を突かれた」といった主張を展開する人間が、少なからずいる。
しかし実際には、サウジアラビアのような「閉じた社会」でも、テロは頻発しているという現実がある。
そういった現実を前にしては、「公共交通機関等の危機管理を徹底しなければならない」といった主張や、「住民の相互監視を強める必要がある」といった主張は、事態の本質とはなんら関わりがないと言わざるを得ない。ましてや、何かことが起きる度に、「駅のごみ箱を撤去する」といった振る舞いは、「鰯の頭もなんとやら」と、同一のレベルに過ぎない。


何が、今日の事態の背景にあるのか。


問われなければならない点は、まさにそこにこそある。


また、「東京でもテロが発生する可能性は?」といった議論も、「もし仮に、東京でもテロが起き得るとするならば、それはなぜか。」「どのような原因が、それを引き起こすのか。」といった視点から論じなければ、まったく意味をなさないだろう。