勇ましい言葉

小泉首相は10日、自民党武部幹事長らと首相官邸で会談した際、衆院解散・総選挙の呼び名について、8日の解散直後に自ら名付けた「郵政解散」ではなく、「郵政・ガリレオ解散」とすることで一致した。


 首相は8日の記者会見で、地動説を唱えた物理学者ガリレオ・ガリレイが宗教裁判で有罪となりながら、「それでも地球は動く」と持論を貫いた故事を挙げ、国会で否決された郵政民営化関連法案の成立を目指す決意を披露していた。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050810-00000014-yom-pol

小泉純一郎という人間が、ガリレオ・ガリレイを語る時。
その時、彼のその言葉の中に、市井に生きる一人一人の人間への、共感や理解は存在するのだろうか。
残念ながら、彼の言動からは、そのような視点の存在を微塵も感じることができない。


そこにあるのは、己の言動に酔いしれ、多くの人達を巻き込みながら、肥大化していくばかりの「物語」だけだ。


多くの人が、為政者の語る「わかりやすく、勇ましい言葉」に、共感やある種の陶酔を感じ、そしてそのような精神が、時代の多数を占めた時。どのような事態が招かれるのかは、歴史が教えてくれている。
僕達のやるべき事は、大きな物語をふりかざす個人に対して、自分達の願望充足を期待することでは無いだろう。


彼がこの4年間、何をおこない、何をしなかったのか。そして、その結果として僕達の生活はどうなっているのか、どこへ向かおうとしているのか。一人一人の人間が地に足を付けて、考えるべき時が来ているのではないだろうか。