自由の曙
パキスタンの地震に関連して、カシミールの歴史について調べていた。
そんな過程の中で、一篇の詩を見付けた。
その詩は、僕の心に深い印象を残した。
地震とはまるで関係が無いし、このような詩に心を動かされたということを、告白するのは気恥ずかしいのだけれど。
あえて、転載する。*1
色あせたこの光線、夜に汚れた光 ---
これは追い求めていた<曙>ではない、自由に酔いしれて
わたしたちが一途な憧憬から
探求に旅立った<曙>ではない
きっと砂漠のどこかに、天空が
星々のために最後の安息所を用意しているから、
それを見つけだすのだと意気込んでいた。
わたしたちは疑わない、夜の放浪する波が、
いつか岸辺にむかうこと、を、
悲しみに動揺する心が
ついには停泊地にたどりつくこと、を。……
だが心は、目は、
さらにもっと深い心は ---
亡き愛しい者を求めていまだ燃え立ち、
その激しい揺らめきは光り輝く。
道ばたの街灯のなかでは
新しい知らせであるかのように炎が燃えている。
朝の微風は到来したのか?
それはどこに行ってしまったのか?
夜がわたしたちに重くのしかかる、
それはいま重くのしかかる。
友よ、この偽りの光から逃れよう、
さあ、あの約束された<曙>を探さねばならない。
この詩は、以下の本から孫引きした。
帝国との対決―イクバール・アフマド発言集 (Homo commercans)
- 作者: イクバールアフマド,デイヴィッドバーサミアン,Eqbal Ahmad,David Barsamian,大橋洋一,大貫隆史,河野真太郎
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2003/01
- メディア: 単行本
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*1:引用の範囲を逸脱しているだろうか?