2004年8月17日 早朝

南極。
凄まじい吹雪が吹き荒れている。


僕はその中を、黒いスーツ姿で、黒い傘をさして歩いている。*1
雹が体に当たって痛い。


僕は無人の基地を目指していた。そこで待っていれば、救援がやってきて、日本に帰れることになるはずだ。


雪と氷で覆われた基地に着く。
入口は、氷でできた洞窟のようになっていて、中は薄暗い。


救援が来るまでの間、一人で悠々自適にすごせるなぁ、とウキウキしながら中へ入る。基地には、食糧等の備蓄も万全ななずだ。


少し進むとドアがあり、どうやらこれが本当の入口のようだ。


ドアを開けると、日本の一般家屋のような玄関になっていた。
真っ暗だ。しかし、躊躇せずに進む。


玄関から廊下を進んでいくと、何やら人の気配がする。


奥の部屋では女性ばかりが十人程で、パーティーをおこなっていた。年齢にはばらつきがあり、子どもから中年くらいまでの女性達がいた。


一人で過ごすあてが外れてがっかりしたが、そこにいる女性全員と、知合いであることに気付く。*2
向こうも、僕がその場にいることに不自然さは感じていないようだ。


席が一つ空いていたので座り、僕もパーティに加わる。隣に座っている同年代の女の子*3 がなにやら悪態をついてくる。
しかし、あまり悪い気がしない。何か、幼な馴染みと話しているような気分だ。


彼女の手元に2杯の陶器のグラスがあり、ワインがつがれている。2杯のグラスは、形も大きさもそれぞれ違う。
どうやら、1杯は彼女が僕のために用意してくれたようだ。


周りの人々の様子を見ていて、ふと気が付く。彼女の隣の席がたまたま空いていたのではなく、皆が僕のために空けていてくれたのだ、と。

*1:どこか滑稽な雰囲気

*2:現実にはそんな知合いはいないが

*3:と夢の中では思っていたが、冷静に思い出すと彼女のほうが断然若い。十代くらいに見える