2004年9月5日早朝

夢の中で、僕は、団地に住んでいる高校生になっていた。


その団地は、一つ一つの部屋が正方体になっていて、まるでブロックのようにそれらの正方体が組み合わさって出来ていた。
窓の外を眺めると、同じような形式の団地が延々と広がっている。
しかし、人工的な感じは受けない。団地を眺めながら、なぜか、「全体が有機的に機能している」などと感じるのだった。


家を出る。


大勢の高校生が、歩きながら高校へと向かっている。
僕は走りながら、高校へと向かって行った。朝の緑が、とても眩しい。
前を長身の男子高校生が歩いている。僕は、彼を追い抜くと、勢いをつけて、丘へと続く階段を登り始めた。


中ほどまで階段をあがると、急に息が切れ始めた。荷物が重く感じる。一歩一歩がとてつもなく、辛い。横を見ると、さっき追い抜いた長身の高校生が、颯爽と走りながら、僕を追い抜いていった。


負けてたまるか、と、気力をふりしぼって走る。
階段を登り終え、丘の上の道を、長身の彼と、抜いたり抜かれたりしながら、走り続けた。


ふと、丘をくだった方が、高校への近道だと気がつく。僕は道を離れ、芝の生えた急な坂を滑るように降りていった。


坂の下の方では、数人の高校生たちが鞄を置いて、座りながらくつろいでいた。僕は勢い余って、彼らの鞄を蹴ってしまった。文房具がバラバラに飛び散った。大慌てで文房具を拾い集め、謝る。が、彼らは、あまり気にしてないようだった。


そうこうしているうちに、長身の男が、先に高校へと入るのが、遠目に見えた。


場面が変わる ----


高校の廊下で、僕は笑いながら、長身の男に「次は負けないからね。」と言った。なぜか、彼には友情のようなものを感じるのだった。それは、彼もまた同じようだった。


教室に入る。
席につこうとするが、僕の席は、前と後ろの席に挟まれて、椅子が引けないほど狭くなっていた。後ろを見ると、皆が恐れている不良の席が、やたらと空間をとっていた。むかついたので、不良の席を逆に狭めて、自分の席に座る。


鞄から教科書を取り出す。教科書を眺めながら、「こいつらを使うのも、久しぶりだなぁ」などと思う。


1時限目の授業が始まった。1時限目の授業は世界史だ。


教師が、次の試験の試験範囲を黒板に書き出す。試験範囲は以下の通りだった。



教師が一人の女子生徒を指名し、それぞれの範囲の説明をするように求めた。しかし、その女の子は歴史に詳しくないらしく、戸惑っている。


見兼ねた僕は、その子を手招きすると、世界史の教科書を開き、それぞれどの辺りに載っていて、どういった内容なのか、説明し始めた。「試験範囲、歴史の流れとは関係なくって、バラバラになってるね」とか言いながら説明していたが、その間その子は、僕に体を密着させながら説明を聞くのだった。それにはちょっと驚いたが、悪い気はしなかった。


インダス文明アレクサンダー大王南北戦争について説明し終えて、最後にロバート・バンダナについての記述を教科書から探す。
しかし、どこにも見当たらない。索引にも、ロバート・バンダナなんて、載っちゃいないのだった。