2005年7月9日 未明

中世ヨーロッパのような世界。


僕は、旅をしている剣士だった。
巨大な壁のようになっている岩山を越え、その先にある帝国へと潜入しなければならなかった。
その帝国は、近隣諸国を制圧し、圧政をしいていた。壁の先の帝国領も、かつては別の王国の領土だったのだ。


岩山は、とても人間の力で乗り越える事ができるようなものではなかった。
しかし、1ヶ所だけ、向こう側へと抜ける道がある。その道には砦があり、帝国によって征服された王国の王子が、数少ない家臣と共に立てこもっていた。
帝国は何度もその砦を落とそうとしたが、王子と優秀な家臣達の活躍によって、失敗していた。そして今では、大勢に影響のないその砦の事を無視し、封じ込めるだけとなっていた。


僕はその砦へと近付いていった。
砦の正門には、2メートルはある大男がいて、侵入者がいないか、常に見張っていた。
その大男は、王子の優秀な家臣の一人で、もとは有名な将軍だった。
僕は大男に話しかけた。
大男は以外とフレンドリーだった。しかし、通してもらうように言っても、それは許されなかった。
僕は作戦を変えることにした。


深夜。
砦の城壁にある柱をつたって、城壁の上へと登り、中へと侵入する作戦だ。
しかし、城壁を登っている途中で、大男に気づかれてしまった。


僕は砦の中へと入り、繁みの中に身を臥せて、隠れた。
すると、そばに白い鼠の親子が近寄ってきた。びっくりして、思わず声をあげそうになる。
大男に気づかれてしまった。
大男が鉄の棍棒を振りかざして襲ってくる。僕も剣を抜き、応戦した。


大男は、すさまじい力だった。
しかし、大男は力だけで、技術が無いことに気が付く。
僕は大男の棍棒を剣で流すと、剣の切先を首に突き付け、武器を捨てさせた。