「まぜるな危険」について

光市事件―置き去りにされたもの - 諸悪莫作に寄せられた以下のブックマークコメントについて。予期していた批判内容ではあるけれど、今のうちに釘を刺しておきたい。

id:yuki-esupure それとこれとは別なのよ なんでもごっちゃにするなよ
id:kisaragi18 生い立ちが悲惨でも罪を犯さず真面目に成長する人はたくさんいます
id:hatuseno 被告の生い立ちの話は知っていたがそれは母子殺害とは関係ない。虐げられた子供時代を送った人でも立派に成長している人も居る。まぜるな危険


はてなブックマーク - 光市事件―置き去りにされたもの - 諸悪莫作


光市事件のマスコミ各社の報道に対して、BPOは、次のように指摘している。

犯罪を裁き、あるいは調査・取材しようとするとき、犯行に先立って、あるいは犯行のさなかに、その人間の内面で起きた意識的・無意識的な情動を探ることが欠かせない。殺人のような重大犯罪の場合、被告の内面の動きがどのようなものであり、それがどう動機を形成し、いかにして実行に移されたのかを一連の、全体をなすものとして解明しなければ、犯行の計画性も犯行態様の意味も量刑も判断できない。


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この指摘にもあるように、犯行に到る被告の内面や、動機は何であったのか、いかにしてその動機が形成されたのか、そしてそれがなぜ実行に移されたのかといった側面は、刑事裁判の量刑判断において重要な要素であると言える。それらについて事実認定がされない限り、当然、犯行の計画性やその形態についての判断はできないからだ。そして被告の生育過程や家庭環境は、そのような刑事裁判において、重要な判断材料となることは言うまでもない。残念ながら量刑判断に際して、被告の生育過程はまったく関係ないとする見解は、寡聞にして知らない。

犯行の形態やそれへの量刑判断と、被告の生育過程は関係がないと強弁する。一方で「被害者遺族の感情」は「まぜるな危険」とは言わない。そのダブスタは、いったい何だと言うのか。

また、「生い立ちが悲惨でも罪を犯さず真面目に成長する人はたくさん」いたとしても、そのような状態を社会として放置しているという現状を、いったいどう考えているのか*1。そのような状況が置き去りにされたという事実は、どうでも良いというのだろうか。


…あと、僕の文章の一部に脊髄反射するのではなく、できれば全体を読んだ上でその主旨を判断して欲しいなと思った。

*1:それにしても「真面目に成長」だとか「立派に成長」だとか。なんともアイヒマン的じゃないか!