あってはならない

このようなこの種の問題で今まで、逮捕、強制捜査というようなやり方をした例は全くなかったと思います。まさに検察の強制捜査の、今回は、普通の従来からのやり方を超えた異常な手法であったと思っております。また、衆議院の総選挙が取りざたされているこの時期において、このような今までやられたことのなかったような異例の捜査が行われたことに関して、私は非常に政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だというふうな感じを持っております。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090304dde007040049000c.html


司直による法の恣意的な運用なんて、今までだって周縁化されていただけで常にあったものなのだから、何を今更、ことさらこの事例だけを特別視して騒いでいるんだ、ましてやあの小沢なんだから擁護するには値しないだろう…そんな風に思っている人もいるのかもしれない。
でも、そう思っている人は冷静に考えてみてほしい。今までは周縁化されていたものがここまで露骨に姿をあらわし、そしてそれが許容され、状況が社会を圧倒していく。法の恣意的運用と、それに伴う掣肘する力の肯定、経済恐慌、そして極度の政治不信。それらが招来する未来を想像すれば、この事態に危機感を抱かない人はどうかしていると僕は思う*1

現実の問題として、たとえ抜け道的な献金であったとしても、法に不備があり合法となるのであれば、現状の議会制民主主義のもとではそこから先は主権者及び立法府の仕事だ。そこに捜査機関による法措定的運用の出番はない。そんなものは、あってはならない。

*1:もちろん、このような事態に到った原因は、周縁化されていた状況を許容し続けていたからに他ならないわけで、「何を今更!」という意見には僕としては「全くその通りです」と言いたい気分もあるのだけれど。