2005年8月30日 早朝

戦闘機に乗って、2機の僚機とともに戦っている。


相手は、敵の空中要塞だ。
敵の空中要塞は、まるで昔の中国の都城のような雰囲気で、その巨大な都城が、たなびく雲の上に、周囲を圧倒するかのように浮かんでいる。


僚機と共に、空中要塞へと接近した。
空中要塞から、凄まじい数の砲撃が、四方へと放射線状に飛びかっている。
僕達は、その砲撃をかいくぐり、空中要塞へと攻撃を浴びせ続けた。


あと一歩で、空中要塞が陥落する ---- そう感じた時、僕の機体の機銃は、弾切れとなってしまった。
僕は、武器を機銃から音声兵器へと切替えた。音声兵器は、操縦席についているメガホンに大声で叫ぶと、それが激しく増幅されて、破壊音波として敵に発射されるという仕組となっていた。


必死になって叫びつづける。
ふと気が付くと、いつの間にか自分の部屋の中にいた。
空中要塞は1、2メートルほどの大きさになって、部屋の天井に浮かんでいる。僕のとなりでは、僚機に乗っていた僚友達が、その空中要塞に素手で攻撃を続けている。その空中要塞に向かって、手に持った音声兵器のメガホンで、僕も攻撃を続けた。


叫びつづけていると、まるで風船のように、空中要塞が膨張を始めた。破壊音波によって、内部から崩壊を始めているのだ。あともう少しで破裂しそうだ。
そこで、僚友たちが棒でつついて攻撃をした。しかし、それでも破裂しない。
僕は、自ら金属の棒を手にすると、音声兵器で攻撃をしながら、その金属の棒を空中要塞へと突き刺した。


空中要塞は破裂し、中から大量の液体が吹き出した。
僕は、全身にその液体を浴びてしまう。


その液体は、水銀だった。

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荒唐無稽な始まりだったが、最後の展開は非常に興味深く、そして要注意だと感じる。